車の基礎知識 ~「走る」機能とエンジンの関係~

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車の基本機能は、走る、曲がる、止まる、の3つです。この記事では、車における 「走る」の機能について、どのようなメカニズムになっているのかを解説していきます。

車の基礎知識 ~「走る」機能とエンジンの関係~

車の基本機能は、走る、曲がる、止まる、の3つです。この記事では、車における 「走る」の機能について、どのようなメカニズムになっているのかを解説していきます。

「走る」とはどういうことか 

アクセルを踏むと車は走ります。これは車を運転したことがなくても、当たり前の こととして認識されています。では、なぜアクセルを踏むと走るのでしょうか。あまりちゃんと考えたことがなくて、急に聞かれても答えにくいかもしれませんね。

そこで、車の中で何が起きていて、どういうわけで「走る」のか、これから解説をしていきます。

車が走るまでのプロセス

「ガソリンが燃焼し、空気が膨張したものを利用して、回転される力に置き換えてタイヤを 回しています」。これが、車が走るまでの一連のプロセスを大まかに説明したものにな ります。
走るという言葉を言い換えれば、「タイヤが転がる」もしくは「タイヤが回る」と なりますね。

タイヤの回転動力

タイヤが回転するには、そのための力が必要です。この回転させるための動力 を生み出すために、一定の体積の中で気体を熱して膨張させたときの力を利用しています。
気体を膨張させるため、燃焼による熱を生み出すのに都合がいいガソリンを用いているというわけです。

まとめると、燃焼させることで熱を生み出しやすいガソリンを材料にして、膨張させた気体を利用して動力を作り、タイヤを回している、その結果、車が走るということになります。

エンジンの役割

ここまでの説明で車が走るメカニズムは何となくつかめてきたでしょうか。それでは もう少し走るまでのプロセスについての理解を深めるため、エンジンの役割について見ていきましょう。

シリンダーとピストン

エンジンの主な機能は、シリンダーと呼ばれる筒の中でピストン(円盤状の 部品)が往復し、この運動をクランクシャフト※で回転させるための動力に変えることです。

現状、ほぼ全てのエンジンは、吸入、圧縮、燃焼、排気という4つの工程で1つの動作を構 成し、これを繰り返しています。それぞれの工程は、以下のように動作します。

エンジンの4サイクル

  • 吸入:吸入バルブを開けて、シリンダー内に空気とガソリンの混合気体を入れます。
  • 圧縮:吸入バルブを閉じて、ピストンで上記の混合気体を圧縮します。
  • 燃焼:圧縮した混合気体に点火すると、爆発、燃焼します。燃焼の結果、体積が膨張し、 ピストンを押し上げます。この押し上げる力を回転させるための動力に変えています。
  • 排気:ピストンが上に上がってきたら、排気バルブを開けて、排気ガスを外に出します。

以上の動作を「4サイクル」方式と呼んでいます。前の章で説明した、タイヤを回すためのほとんどの仕事をエンジンが担っていることが分かります。

※ クランクシャフトとは

クランクシャフトはエンジンを構成する部品の一つで、ピストンの上下運動を回転運動に変換しているシャフト(軸)のことです。
コネクティングロッドという部品でピストンとクランクシャフトで相互に運動の方向を変換しています。クランクシャフトのコネクティングロットとの接続部分をクランクピンと呼び、直列4気筒エンジンの場合は、このクランクピンが4か所存在しています。

タイヤに動力が伝わるまで

ここまでで、エンジンの働きにより回転する力が生み出されることが分かりました。この回転する力をタイヤに伝えることで、タイヤは回転します。では、この回転を伝える役割は車のどの部分が担ってくれているのでしょうか。

ドライブシャフト

シャフトという言葉が多くなってしまいますが、「ドライブシャフト」がタイヤに回転力を伝えています。ドライブが運転、シャフトが軸なので言葉からもイメージはしやすいですね。
シャフト部分は鋼鉄製ですが強度 を備えたままで、燃費向上などを目的とした軽量化のために中空構造になっているものも普及しています。

ドライブシャフトは車の走行中は常に回転しており、路面状況と連動して上下左右に動きながら、タイヤに動力を伝えています。このように様々な角度の動作に 応えるため、ドライブシャフトのエンジン側にはインナージョイント、タイヤ側にはアウタ ―ジョイントと呼ばれるジョイント部分があります。

ハブベアリングとジョイントブーツ

それぞれのジョイント部には、ハブベアリングと呼ばれるタイヤの回転を円滑にするための部品が多数入れられています。また、ベアリングの潤滑を目的としたグリスで充填された構造になっており、さらにグリスの飛 敵やホコリや石などの外部から侵入する異物から守るためにジョイントブーツと呼ばれる ゴム製のプロテクターのようなもので覆われています。

おわりに

車が走るプロセスは、冒頭では「ガソリンが燃焼し、空気が膨張したものを利用して、 回転される力に置き換えてタイヤを回しています」とお伝えしました。この記事での知識を 踏まえると、「エンジンで生み出した動力を、ドライブシャフトを通してタイヤへ伝えてい ます。

エンジンでは、気体になりやすいガソリンを材料にして、燃焼させることで熱を生み 出し、膨張させた気体を利用して動力を作っています。」と、少し知っている感じを出せる かもしれませんね。

エンジンは奥が深い

エンジンはまだまだ書ききれていないところが多く、奥の深い燃焼機関ですが、本記事で車の構造についての知的好奇心が刺激されていればうれしく思います。

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